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院長が日々の雑感・つぶやきを投稿するブログです。

病理って何?
2021/06/28

こんにちは、いっかくです🦄

みなさん「病理
」って聞いたことありますか?

患者さんにはあまりなじみがないかもしれませんが、
病理、つまり病理組織学的検査は、
細胞そのものを顕微鏡で見て診断する検査のことです。

皮膚科や外科などの手術や検査で、
患者さんの皮膚など、体から組織を採取します。

その採取した組織を、
ホルマリン固定し、切片を作成して染色し、
顕微鏡で確認できるようにスライドガラスの標本を作成します。

その目的は、
・診断を確定するため
・手術の場合、きちんと病変部分を取り切れているかどうか
・リンパ節などにがん細胞が転移していないか
などです。

通常は病理標本を見て診断する専門家である病理医が、
病理標本を顕微鏡で確認し、
病理学的所見の報告書を作成してくださいます。

しかし、実は皮膚科領域の皮膚病理は少し特殊です。
病理組織だけで診断がつかないことが多々あります。

採取した組織が、
腫瘍(できもの)ならば病理が最終診断になるのですが、
炎症性の疾患、つまり腫瘍のような”できもの”ではない皮膚病変を採取した場合、
患者さんの皮膚の症状と、病理所見、両者を合わせて考えた上で診断をつけます。

そのため、皮膚科医は病理医が作成した病理報告書を参考にしつつも、
自分でも実際に顕微鏡で病理標本を見て、
患者さんの皮膚で、どのような細胞がどのような状態になって皮膚症状を起こしているのかを確認し、その上で診断を確定します。

皮膚科医が病理標本を自分で見ている、
ということはあまり知られていないかもしれませんね。

さきほど、「腫瘍(できもの)ならば病理が最終診断になる」と書きましたが、
実はこれも、必ずしもそうでもないこともあります。

例えば、良性のほくろか、悪性のほくろのがん(メラノーマ)か、これも判断が難しい場合もあります。
ほくろと診断されるかメラノーマと診断されるかで、
結果には天と地の差ほどの開きが生じます。

このような場合には、
採取した病変がどのような細胞で構成されているのか、
その特徴がわかるように、
病理組織を様々な方法で染色する、
追加で切片を作成する、など、
あらゆる手段を尽くしますが、
それでもはっきりと診断をつけることが難しい場合があります。

なんとなくみなさんに病理というものが伝わりましたでしょうか。
皮膚科医は、顕微鏡で水虫菌だけではなく、病理標本も見ているんですよ、
ということだけでもお伝えすることができれば幸いです。

いっかく皮膚科クリニック
いっかく皮膚科クリニックは、姫路市広畑区にある皮膚科医院です。皮膚科の診療とともに、皮膚腫瘍の手術、シミ・ほくろ・イボ治療、医療レーザー脱毛などの美容皮膚科診療を行います。

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