たかがニキビ されどニキビ
早くから治療を続けることが
きれいな肌になる近道
にきびで悩んでおられる方は非常に多く、にきびは日本人の90%以上が経験する身近な皮膚病です。
20歳代の女性では、にきびが頻繁にできる人は85%にものぼるといわれており、にきびは他の皮膚病よりも生活の質(QOL)が大きく低下する病気です。
にきびは薬を使用してもすぐには治らない上に、一旦治ってもくり返すことが多いので、根気よく治療を続けることが大切です。
当院では、『美肌』を目指して患者さんにお薬の使い方からスキンケア指導までご説明しています。
にきびは「皮脂の分泌亢進・毛包の角化異常と、アクネ菌が関与した慢性の炎症性疾患 」です。
にきび治療には何よりも積極的な早期治療と、再発させないための維持療法が大切です。
患者さんが医療機関を受診されるタイミングは、「赤いにきびが悪くなってから」あるいは「にきび痕が目立つようになってから」が多く、治療の開始が遅れることがあります。
これは「治療をしなくてもいつかは治る」と思われているからかもしれません。
にきびのある患者さんで病院を受診される方は、わずか17.3%という調査結果もあります。
このように治療の開始が遅れる原因は、われわれ医療者が「にきびには良い治療方法がある」ことを患者さんにしっかりお伝えできていないことも理由の一つかもしれません。
当院ではにきび治療に力を入れており、にきびの初期から重症期、にきび痕にいたるまで治療に幅広く対応できる体制を整えています。
気になることがございましたら、何でもお気軽にご相談ください。
2015年になり新しく過酸化ベンゾイル(ベピオゲル)とその配合剤(デュアック配合ゲル)の2種類の外用薬が日本で承認されました。
過酸化ベンゾイルは約80年前から海外で使用されている実績のある薬剤で、ようやく日本でも世界の標準治療ができる環境になりました。さらに、2016年になりキノロン系抗菌薬であるゼビアックスローション、過酸化ベンゾイルとアダパレンの配合剤であるエピデュオゲル、2021年6月にはゼビアックス油性クリームが新規に発売されました。
当院ではにきびの時期や症状に応じて、その都度、適した治療法を組み合わせて治療を行っていきます。
にきびがまだ赤くなる前の初期の状態です。
「黒にきび(閉鎖面ぽう)」と「白にきび(開放面ぽう)」に分けられます。面ぽうになる前の段階の、目には見えない「微小面ぽう」の状態からしっかり治療することが、にきびを悪化させず肌を良い状態にキープするために重要です。
最近では、赤くもなく目には見えない微小面ぽうの段階から、すでに炎症が起きていることがわかっています。
毛穴のつまりを取る、角質はく離作用のある薬剤です。微小面ぽうにも有効です。
角質はく離作用に加え、抗菌作用もあります。抗菌作用はありますが、耐性菌の心配のない薬剤です。
ベピオゲルに加えて、2023年5月31日にベピオローションが発売されました。
面ぽうのにきびが炎症を起こし、赤にきび(紅色丘疹)や膿をもったにきび(膿疱)になった状態です。
炎症後ににきび痕を残すことがありますので、早期に治療し、早く維持期の治療に移行することが大切です。
過酸化ベンゾイルが分解して生じるフリーラジカルにより、角質剥離(はくり)作用に加え、抗菌作用を発揮します。抗菌作用はありますが、耐性菌の心配のない薬剤です。
過酸化ベンゾイルにクリンダマイシンという抗菌外用薬が配合されています。2週間外用すると炎症性皮疹の62.5%が減少するという速効性のある外用薬です。
過酸化ベンゾイルの持つ抗菌活性+角層剥離作用に、アダパレンのレチノイド様活性(毛穴の閉塞を防ぐ作用)を併せ持つぬり薬です。
炎症の原因となるアクネ菌に対して高い抗菌力を示す抗菌薬のぬり薬です。
炎症症状がひどい場合には抗菌薬の内服を併用していただき、速やかに炎症症状を抑えます。
にきび治療においては、炎症性にきびの状態が落ち着いた後も医療機関を定期的に受診し、アダパレンや過酸化ベンゾイルなどできっちりと治療を継続すること(維持療法)が非常に大切です。
当院ではその他にも
赤いにきびは軽いものでも、10個に1個は3ヶ月後ににきび痕(瘢痕:はんこん)になると言われます。
さらに、にきびで医療機関を受診される約90%の方に、にきび痕があると言われています。
これはにきびでは医療機関を受診されず自己処置で済ます方が多く、医療機関での治療開始が遅れてしまっていることも原因の一つかもしれません。炎症を起こしたにきびを放置し、にきび痕になってしまうと完治することや自然に治ることは非常に難しく、整容的にも問題になります。
もし気になる症状がございましたら、何でもお気軽にご相談ください。
A1:「市販のぬり薬には、アダパレンや過酸化ベンゾイルという毛穴の閉塞を治療する成分が含まれていません。
繰り返しになりますが、にきびは「皮脂の分泌亢進・毛包の角化異常と、アクネ菌が関与した慢性の炎症性疾患 」です。
なるべく早期から、症状に応じた治療を病院で受けるようにしましょう。
アダパレンや過酸化ベンゾイルの成分で、赤み・かゆみ・カサカサなどの刺激症状が出る場合があります。このような刺激症状が出た場合、ぬり薬の使用を一旦中止し、なるべく早めに病院でご相談してください。」
A2:「維持療法とは、にきびの再発を予防するための治療です。にきびができる間は継続する必要があり、根気よく維持療法をつづけて、にきびが再発しないように予防する必要があります。」
A3:「アダパレンや過酸化ベンゾイルによるぬり薬で維持療法を行います。ただし、これまでアダパレンと抗菌薬の2剤のぬり薬で症状を維持しているときや、アダパレン単独で効果が不十分なときなどには、アダパレンと過酸化ベンゾイルの2剤を併用することもあります。」
A4:「にきびに対して抗菌薬の外用や内服を長くつづけると、耐性菌が出る可能性があります。海外では耐性菌が問題になっており、日本でも耐性菌は増加傾向にあります。
過酸化ベンゾイルはフリーラジカルによる抗菌作用のため、耐性菌の心配のない薬剤です。長期間にわたって同じ抗菌薬による治療を続けずに、定期的に医療機関を受診し、にきびの症状や時期に応じて治療方法を使い分けることが非常に大切です。」
A5:「にきび痕を予防するためには、炎症性皮疹に対する抗菌薬と面ぽうに有効なアダパレンの併用などによる早期の積極的な治療と、症状が改善した後の再発予防のための維持療法が重要です。
過酸化ベンゾイルは、維持療法にも使用できる炎症性にきびに対する薬剤で、にきび痕の予防にも有効です。さらに、「早期に受診していただくこと」、「医療機関で定期的に長期に治療を継続すること」で、にきび痕を予防することができる、という研究結果も報告されていますので、医療機関における治療が重要と考えられます。 」
A6:「当院は保険診療を基本とした皮膚科クリニックですが、美容皮膚科において医療レーザー脱毛(蓄熱脱毛) をしています。
にきびをしっかり治療しながら、脱毛をしている患者さんも多くおられます。
脱毛治療をすることで毛剃り(ひげ剃り)によるお肌への刺激がなくなり、にきびができにくくなります。
にきびができやすい方、肌トラブルがある方でも安心してご相談ください。
まずは皮膚科を受診して下さい。症状の経過をみて、脱毛レーザーの治療時期を検討していきます。」
★このホームページは当クリニックを受診される方が、参考のためにご覧いただくページです。医学は日々進歩しており、記載している内容が最新でない可能性もあります。同じ病名や症状でも、治療方法はお一人お一人異なりますので、自己判断されず必ず医師にご相談ください。
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