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アトピー性皮膚炎

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いっかく皮膚科クリニック
〒671-1156 姫路市広畑区小坂96-1
TEL079-239-7716
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アトピー性皮膚炎

当院ではアトピー性皮膚炎の治療に力を入れています。

診察の際にすべてをお話しすることは難しいため、当院を受診される方の参考になるような内容をここに記載しています。

当院では薬の塗り方のコツやスキンケアの方法など、お一人お一人に応じた治療の方法を具体的にご説明させていただきます。ご質問や疑問があれば何でもお気軽にご相談ください。

 

アトピー性皮膚炎とは?

かゆみのある湿疹が左右対側性に生じ、乳児(1歳未満)では2ヶ月以上、それ以上の年齢では6ヶ月以上の期間、持続あるいはくり返す皮膚病です。


アトピー素因をもつ方が多く、ご家族の方にもアトピー性皮膚炎があったり、ご本人も気管支喘息やアレルギー性鼻炎・結膜炎をお持ちであったり、血液検査で血清IgEが高い傾向にあります。

【アトピー性皮膚炎に似ている皮膚病】
アトピー性皮膚炎と皮膚症状が似ていて区別が必要な皮膚病があります。
脂漏性皮膚炎、皮脂欠乏性皮膚炎、痒疹、偽アトピー性皮膚炎(全身型金属アレルギー)などが代表的ですが、特に見逃してはならない皮膚病として、菌状息肉症(皮膚悪性リンパ腫)疥癬(かいせん)膠原病(SLE、皮膚筋炎など)があります。

 

このような皮膚病の可能性もありますので、なかなか治りにくい皮膚病の場合はご自身で判断されず、必ず皮膚科専門医を受診してください。

当院での治療
アトピー性皮膚炎を良くして、きれいな肌をキープするには、定期的に通院していただいて必要な薬を適切に使用することはもちろん、保湿などのスキンケア、ダニ対策やペットなどのアレルゲンに対する環境整備・悪化因子の除去、食事栄養療法、睡眠時間の確保などの体調管理、学校や職場などでのストレス軽減など、トータルに全身を管理することが大切です。
ぬり薬
ステロイド軟膏・クリーム・ローション

ステロイドのぬり薬はアトピー性皮膚炎の治療において、治療の中心となる大切な薬です。
皮膚の症状に応じて、適切な種類・強さの薬を、適切な量・回数、指導された通りにしっかりとぬることが大切です。


お一人お一人皮膚の症状は違います。同じ患者さまでも治療を開始すると皮膚の症状も変わっていきますので、どの場所に、どの薬を、1日何回、いつまで塗るのかを、その都度医師に相談するようにしましょう。


定期的に通院し、全身を管理することで皮膚の状態を良好に保ち、結果的にステロイドの使用量を減らしていくことができます。根気よくしっかり一緒に治療していきましょう。

タクロリムス軟膏

ステロイドと同様に皮膚炎をおさえるぬり薬ですが、作用の仕方が異なり免疫担当細胞にしか作用しないため、特にステロイドを長期間使いにくい顔や首に適しているぬり薬です。


2歳以上16歳未満では小児用のタクロリムス軟膏、16歳以上では成人用のタクロリムス軟膏を使用します。使い始めは半数以上の人にヒリヒリ感などの刺激感が出ることがありますが、皮膚の症状が良くなるとともに刺激感も治まってきます。

プロアクティブ(proactive)療法
ぬり薬できっちりと皮膚炎を抑えた(寛解導入)後でも、週に2,3回程度ぬり薬を使用して皮膚を良い状態にキープすることをプロアクティブ療法といいます。
特にタクロリムス(プロトピック)軟膏による治療で、その効果が多く報告されています。


症状が良くなった時に、いきなりぬり薬を中止してしまうのではなく、プロアクティブ療法を行い時々ぬり薬を使用していくことで、症状の再燃を有意に抑えられることが報告されています。


しっかり毎日ぬり薬を使って症状が良くなった際には、いきなりぬり薬を中止せずに、プロアクティブ療法に切り替えていくべきか医師と相談して治療方針を確認しましょう。

保湿剤

日常のスキンケアにとても大切なぬり薬です。
保湿剤にはバリア機能を補い、皮膚炎の再燃を予防する効果があります。
保湿剤の種類としては、ヘパリン類似物質(ヒルドイド、ビーソフテンなど)、尿素製剤(ケラチナミン、ウレパール、パスタロンなど)、白色ワセリンなどがあります。保湿剤を塗るタイミングは、入浴やシャワー後すぐに保湿剤を塗るのがもっとも効果的です。

 

当院ではその他、敏感肌用の低刺激性スキンケア製品も用意していますので、ご自身のお肌に合うものをご使用ください。

のみ薬
抗ヒスタミン薬
アトピー性皮膚炎の治療の基本はぬり薬ですが、それを補助するための、かゆみを抑える内服薬です。
かゆみがあると、皮膚を掻爬(そうは)してしまい、皮膚炎はさらに悪化してしまいます。
かゆみを抑える抗ヒスタミン薬には多くの種類がありますが、眠くなりにくい非鎮静性の薬剤をまず第一に選択します。
シクロスポリン

通常の治療では十分な治療効果が得られない症状に対して使用する内服薬です。
具体的には、結節状の皮疹や苔癬化(ガサガサした分厚い皮膚)症状が広範囲にある場合や、全身に皮膚炎が急速に悪化した場合や、重症でかゆみが非常に強い場合などに内服します。


内服する期間は通常8週間(最大12週間)で、一旦内服を中止した後、再開するまでに2週間は期間を空ける必要があります。
血圧のチェックや、定期的に血液検査を行い腎機能などのチェックを行います。

日本皮膚科学会の「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン」では、紫外線療法はアトピー性皮膚炎における治療法の一つとされ、ステロイド外用薬を用いた治療に反応しない例や、従来の治療により副作用を生じている例に有用であるとされています。


アトピー性皮膚炎では、「かゆみと掻破の悪循環(itch-scratch-cycle)」により、さらに病状が難治になる傾向があります。


光線治療によるかゆみを抑える作用は、通常の外用療法や抗ヒスタミン薬の内服に反応しないような難治性のしつこいかゆみにおいて有効なだけではなく、長期に寛解(病状が治まっている状態)を維持できるため、ステロイド外用剤の使用量を減量でき、ステロイド外用薬の長期外用による副作用を減少させることができる有用な治療法です。

小児アトピー性皮膚炎の治療で大切なこと

お子さまが自分で病院を受診して、薬を塗ったり、飲んだりして、アトピー性皮膚炎を治療することはできません。

 

お子さまのアトピー性皮膚炎を良くするのも悪くするのも、ご両親と医師の関わり方によります。


お子さまの肌を良い状態にキープするためには、われわれ大人がどのようにお子さまにかかわっていくかが非常に大切です。

【ご両親にしていただきたい3つのこと】


アトピー性皮膚炎という病気について正しく理解して、以下のアトピー治療の3本柱について学んでいただくことが大切です。


@ アレルゲン対策
A スキンケア
B 薬

乾燥肌(ドライスキン)とフィラグリンについて

アトピー性皮膚炎の方では、乾燥肌(ドライスキン)の状態になっており、皮膚の表面から多くの水分が蒸発してしまうため、角質にふくまれる水分の量が減少しています。
そのため、皮膚のバリア機能が低下し、カサカサしやすく「肌が弱い」状態になっています。


フィラグリンとは、角質層で分解されることで保水機能や紫外線吸収能をもつ天然保湿因子としてはたらく作用をもち、皮膚のバリア機能にとって非常に重要な分子です。


日本人のアトピー性皮膚炎の方では、20〜30%の方がフィラグリンの遺伝子に変異があるといわれています。フィラグリン遺伝子に変異がない方でも、アトピー性皮膚炎のほぼすべての方でフィラグリン蛋白が減少しているためドライスキンになるといわれています。
そのため、アトピー性皮膚炎の方では、肌の良い状態をキープするためにも保湿剤を定期的に使用することがとても大切です。

食物アレルギーとアトピー性皮膚炎
食物アレルギーはアトピー性皮膚炎の方に多く発症します。
アトピー性皮膚炎の方はドライスキンにより皮膚のバリアが障害されている状態のため、アレルゲンが皮膚から簡単に侵入することができてしまいます。
つまり、バリアが障害された皮膚に食べ物が接触することで、簡単に食べ物に対して感作(アレルギーが成立すること)が起こってしまうため、アトピー性皮膚炎の方には食物アレルギーが多く発症しやすいと考えられています。
また、フィラグリン遺伝子変異がある人は、食物アレルギーを発症する可能性が高いとも言われています。
Itch-Scratch-Cycle(イッチスクラッチサイクル)について

Itch-Scratch-Cycleとは、かゆみが掻破(そうは)を誘発し、掻破が皮疹を発症あるいは増悪させ、皮疹の悪化によりさらにかゆみが増すという悪循環のことです。


Itch-Scratch Cycleには「掻爬」だけでなく、「ブドウ球菌の感染」が大きな影響を及ぼすといわれています。アトピー性皮膚炎患者さんの皮膚では健常人に比べてブドウ球菌属の占める割合が高く、黄色ブドウ球菌は健常人ではほとんど検出されませんが、アトピー性皮膚炎患者さんでは皮膚の炎症がないときにも検出され、湿潤部位のみでなく乾燥部位や非病変部からも多数の黄色ブドウ球菌が検出されやすく、特に症状が再燃した時には顕著に増加するといわれます。


黄色ブドウ球菌はエンテロトキシンを始めとする毒素を産出します。エンテロトキシンは、アレルゲンとして肥満細胞から化学伝達物質を放出させる他、スーパー抗原として細胞を非特異的に活性化させたり、局所の細胞または浸潤細胞から起炎症サイトカインを遊離させて、アトピー性皮膚炎を悪化させると言われています

 

汗について

汗をかきやすい夏にアトピー性皮膚炎の症状が悪化することが多くあります。
確かに汗には皮膚炎を悪化させる物質が含まれていますが、症状を悪化させないためには汗をかかない方が良いのか、というと必ずしもそうではありません。


汗には本来、保湿機能、体温調整機能、抗菌ペプチドという感染防御機能という効用があり、アトピー性皮膚炎の患者さんには発汗障害があるため、汗をかくことで症状が改善する可能性があります。


そのため、汗をかかないようにするのではなく、汗をかいたら洗浄力の強い石けんを使用せず水道水のみで十分にシャワーをする、シャワーができなければぬれタオルやおしぼりなどで汗を拭き取るということが、汗に対する対策として勧められます。

 

TARC(タルク、ターク)について

アトピー性皮膚炎の症状は、良くなったか悪くなったかを見た目の皮膚症状で判断することが多いと思います。しかし、一見皮膚炎がないように見えるけれど、実は皮膚では炎症が残っているような場合もあり、なかなか見た目で判断しにくい場合も多くあります。


当院ではこのようなケースに対して、TARCという測定方法の血液検査をおすすめしております。TARCはアトピー性皮膚炎の状態を鋭敏に反映するので、その数値を見て、以前よりも良くなっているか悪くなっているか、数字で客観的に皮膚の状態を判断することが可能です。数値が高ければ、たとえ見た目は良くてもまだまだ皮膚炎は抑えられていない、と判断することができます。


TARCの数値を低い状態にキープしようという、治療の意欲向上にもつながります。
当院では、月に1回の検査をおすすめしています。

 

ステロイドに関するQ&A

Q:「ステロイドは怖くないですか?」


A:「ステロイド薬にはぬり薬と、飲み薬があります。

飲み薬には、多くの副作用が出る場合があり、長期間内服する場合は注意しながら継続する必要があります。
一方、ぬり薬は、定期的に皮膚科に通院し、指導されたぬり方を守っている限り、全身(内臓)に及ぶような副作用はまず出ません。
当院では、皮膚の症状を診察し、適切な強さの薬を選択し、どこに、どのくらい、いつまで塗るのかご説明させていただきますので、心配なことがございましたら何でもご相談ください。」

Q:「ステロイドのぬり薬は使用していると副作用が出ませんか? 」


A:「ステロイドのぬり薬の副作用として、ぬった部分に皮膚の萎縮、毛細血管拡張、ざ瘡、酒さ様皮膚炎、多毛、皮膚感染症が生じることがあります。
ステロイドのぬり薬は皮膚科診療において非常に重要な薬ですが、漫然と使用しているとこのような症状が現れる場合があります。

副作用を予防するためにも、定期的に皮膚科医院に通院され、医師の指導のもとにメリハリのある外用治療を行い、症状・部位に応じて適切にぬり薬を使用することをおすすめします。」

Q:「ステロイドをぬると色が黒くなりませんか?」


A:「それはありません。火事が起こったときに水で消火すると、焼け跡に黒くなった炭が残ります。アトピー性皮膚炎に限らず、湿疹や皮膚炎は皮膚に炎症(火事)が起こった状態で、ステロイドは炎症を抑える「水」に相当します。
火事が起こった場合、水をかけたために焼け跡が黒くなるわけではないことはおわかりいただけると思います。水(ステロイド)を使用しなければ、さらに広い範囲が火事(皮膚炎)となり、黒くなる焼け跡(炎症後色素沈着)の範囲はさらに広くなります。
少しでも炎症後色素沈着を残さないためには、早期からステロイド薬などでしっかりと治療することが大切です。治療が遅くなると炎症が長引き、苔癬化といってガサガサした分厚い皮膚になり、なかなかぬり薬も効きにくくなってしまいます。」

Q:「ステロイドをぬっているのですが、症状が良くならないのですが?」


A:「その原因の多くは、ぬる量が少ないためです。
ステロイドはぬり薬であれば、ほとんど全身(内臓)に副作用は出ませんので、医師に指示された強さの薬を、指示された回数・量をしっかりとぬりましょう。
ぬり薬を使う量は、FTU(フィンガー・チップ・ユニット) という考え方を目安にします。軟膏であれば、大人の人差し指の一番先から第一関節まで押し出した量(約0.5g)で、大人の手のひら2枚分の面積にぬることができます。よく処方される5gのチューブでは大人の手のひら20枚分ぬることができます。ローションであれば、1円玉程度(直径2cm)の大きさで、大人の手のひら2枚分の面積にぬることができます。ぬった後に、少し光沢があり、しっとりとして、ぬった部分にのせたティッシュペーパーが落ちない程度になるのが適量です。
それでも良くならない場合は、他の皮膚病の可能性がありますので、皮膚科専門医にご相談ください。」

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